98年7月4日に兵庫県の揖保川を下った。
関西の瀬戸内側の川については、カヌーで下った情報があまりないので、この時期あゆ釣り釣り師が多いのでは、と心配でしたが、とにかくバスでいってみようと出かけた。
朝8時35分の山陽電鉄網干駅前発のバスに乗り、山崎まで約1時間
途中、播磨新宮からは揖保川にそってバスが走るので、川の様子もみることができる。
バスから見た限りでは、播磨新宮から、危険の少ない、気持ちよさそうな瀬が3個所ほどあった。
とくに、播磨新宮からすぐの、バス道が川に面した場所では川が狭いS字を描いた瀬になっていた。
今日の天気はピーカンの快晴。 2日前にはかなり雨が降っていたので水量は大目のようだ。
山崎の町は町中をきれいな水路が走っており、豊かな感じの町でした。
バス停の横のコンビニで今日の食料を調達後、町の東側を流れる揖保川まで約500m、ファルトを担いで歩く。
途中、釣り具屋の前をとおりかかると、あゆ釣り解禁後の状況が地図入りでデカデカと書かれていた。
どうやら、釣り場としては山崎から上流のほうが主流のようで、細かなあゆ情報が書かれていた。
高瀬舟乗り場と書かれた看板のある橋の上流側でファルトを組む。
水深は30cm程度で透き通って、きれいに底が見えている。あゆやヤマベがいっぱい泳いでいるのがよく見える。
10時30分に出艇。 漕ぎ出してすぐに堰堤を越える、揖保川には地図上では、山崎から河口までの間に10個の堰がある。
あゆを釣っている人は川岸近く、川の真ん中などさまざま。 しかし、その後ろ側か対岸近くを通ればなにも言われない。
どうも、カヌーで面白い瀬の中には釣り師はぜんぜん入っていない。、その後の緩くなったところに釣り師が多い。
だから、瀬は目いっぱい楽しんでそのままエディーに入って釣り師の後ろを抜けるようにした。
快適な瀬を3個所ほど超えたところで、ざら瀬の急流にさしかかる。(上空に高圧線が通っている場所の下流) 小さい岩が流水面いっぱいにひろがっており、その間を水が流れている。
岩から水面までは、深くても5cm程度。ファルトでは無理と判断。
岸にはコンクリートブロックが入っていて、小さな水路となっている。ここを通してやりすごす。
ざら瀬を抜けたところで、休憩、昼ご飯にする。
川の上に張り出した木の影と水流で涼しく快適。
ざら瀬のすぐ下から艇を出す。
大きな岩があるようで、大きなホールができている。
そこは避けて、ジェットコースター状態で飛ぶように流れる。瀬は100mほどでおしまい。
ほんとにすっとする速さだった。 ポリ艇ならそのまま、ざら瀬から突入できそうだった。
下っていくうち、バスから見たS字状の瀬にさしかかる。
手前でバックストロークしながら偵察。 水量多いので、S字のとおりいけば問題なさそう。
落差は1mくらいだっただろうか? 頭まで水をかぶりながらすり抜ける。 快感!!
いつも思うことだが、ほんとに気持ちいい場所では、遊んでしまうため、写真をとる暇がない。
播磨新宮付近で山間から、平野に抜ける。
このあたりには、吊り橋があったり、川ガキが遊んでいたり、のんびりした風景であった。 しかし、堰が多い!!
河原は広くなり、川の流れはも二股、三股に分かれだす。 どの流れが一番水量が多いか見ながら下っていく。
水面が広くなったところで釣り師を避けて対岸近くを漕いでいると、釣り師から声がかかる。何かなと思って聞き返すと、パドルでバシャバシャやってくれと言う。
どうも、散らばっているあゆを自分のほうに追い出して欲しいらしい。
リクエストに答えて盛大にバシャバシャとやる。 最近、釣り師に声をかけられることが何回かあったが、”竿から外れた仕掛けをとって”、”竿流してしまったので取ってくれんか”という感じのことが多い。
播磨新宮から竜野までの間は二股の流れと緩やかな瀬、堰の繰り返し。
竜野 関西では有名な醤油、だしを作っているひがし丸の工場が河畔に建っていた。この辺は非常に浅く、ファルトの底がつかえてしまう。
河畔に公園があり、川に降りられるように広い階段が作られている。ここでも小学生たちが水中眼鏡をつけて遊んでいた。
竜野からも、いくつもに別れた流れと、堰、浅瀬が続く。
JRの鉄橋を超え、さらに行く。
新幹線の鉄橋下には、いやらしいコンクリートブロックの堰をがあり、ポーテージに苦労する。
コンクリートブロックには隙間があり、場所によっては岩がはまり込んでいたりして歩きにくい。
この辺まではアユ釣り師が、まだまだ多い。
新幹線から下流はバス釣りとアユ釣り師が混在している。
この辺までくると、流れも非常に緩やかとなり、漕がないと進まなくなる。
最後の堰(高さ約3m)を超えると、淡水から汽水に変わる。網干の町に入るともう運河のようだ。
河口までもう少し。 あの橋をくぐれば海だ!!
海に出たところは西側が工場、東側が漁港。 工場のバースから離れた位置にブイがあり、それに沿って進む。
前方に家島諸島が見える。やっと海に出た。
漁港の西側に100mくらいの小さな浜があり、そこに上陸する。17時丁度
艇をばらして乾かしている間に食事することにする。網干の漁港には漁協がやっている「なぎさ亭」があり、魚がおいしい。
おすすめは「なぎさ定食」1500円 アナゴがいっぱいである。
揖保川は、日本の川で水質が悪い何番目かの川だった時代もあるようだが、今回下った感じでは、それほどきたないという印象はなかった。
最後の堰のすぐ上流までアユ釣り師がいたこともそれを示しているのだろう。
今回は水量も多かったが、夏には減水し、つれなくてイライラしている釣り師とのけんかもあるようだ。
豊富な水量で快適に下るなら春と秋がよさそう。


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